今月のWeb ギャラリー 2009年7月

                                        Webギャラリー履歴 2009/06 江口週


サール・シュワルツ / Sahl Swarz (1912〜2004)

Micro Cosmos
マイクロ コスモス

bronz , stainless steel  ブロンズ、ステンレス
1990
h 172.5cm



私達は星が何光年先にあると言われるが、

私達の内なる直感が思い出すその広大なスペースを

享受する感覚こそが大切なのだ。 サール・シュワルツ

We are told the number of light years away the stars are but the fact is no more important than the feeling that we conjure up from our own intuitive insides to appreciate the vastness of space . Sahl Swarz











Micro Cosmos
マイクロ コスモス

detail 部分
制作中のサール・シュワルツ
イタリア・ヴェローナのアトリエにて
1990 (78歳)

私の彫刻は私と一体であります。それは私の経験から生まれたものです。

前もって敷かれている道は私の道ではありません。私は自分の道を行きます。

私は決まった教えには心を惹かれません。私は自由に自分の思うように考えます。

物事を自分なりに見つけ出すことが大切です。私は探し且つ実験をします。

私は人間が大好きです。私はつとめて人間を理解しようと思います。

自然とその構造は基本的なものです。私はそれを研究します。

私の精神は私に創造するように仕向けます。私はそれに従って動きます。

私の心は私に整えるように仕向けます。私は組み立て又分解します。

同じ主題は何度も出て来ますが表現形式は異なってきます。私は多様性を好みます。

                                              サール・シュワルツ


1912年 当時オーストリー領だったポーランドからアメリカに移民したユダヤ人を両親に、ニューヨークのブルックリンに生まれる。高校を美術の優等生として卒業するが、大学への授業料免除奨学生の口を拒否し、世界の芸術の中に自身の軌道をひく生き方に身をおく。

16歳から、後にニューヨークスカルプチャーセンター(NYSC)として優秀な作家を輩出することになる「クレイクラブ」に参加。NYSCではクレイクラブ創始者ドロシア・デンスローと共にディレクターとしてセンター運営、彫刻指導にあたる。

多くのパブリックモニュメントの制作依頼を受ける。
プラットインスティテュート(NY)、ウイスコンシン大学、コロンビア大学で講師、助教授として彫刻を指導。

1978年 熊坂兌子と結婚。大学を退職し、鎌倉、ヴェローナ(伊)に半年づつ住む制作活動を始める。
’98より伊の住居をピエトラサンタに移す。
世界各地を熊坂兌子と旅し、各地で多くの個展を開催。

2004年 手掛けていたコンポジションシリーズの仕事を仕上げ、ピエトラサンタの自宅にて逝去。
享年92歳。



エピローグとしてのサール・シュワルツの辞

   私は自分が希求した偉大な芸術家ではなかった。

   しかし はっきり言えるのは、私は自由に自分の行く道を選び 探求し 発見し方向を変え

   彫刻をし 絵を描いた。   広大な領域で。

Epilogue by Sahl Swarz
   I was not the artist I strove to be
   but I can state that I was free
   to choose my way
   to search , to find , to change
   to sculpt , to paint
   in the widest range .

   芸術を追求し、苦闘することを通して、私は沢山の人生を生きた。

   Through striving after art I lived many lives .

鑑賞の手引き

この作品は、『細胞状のかたち / Cellular Form (detail)』というアフリカの木でつくられた作品です。

上載の作品とはまるで正対に位置するサール・シュワルツの作品です。

ミクロとマクロの両面から自然、人間を凝視して、学び、発見し、

そして自分の表現するテーマ、かたちを探求しつづけた作家です。

素材も表現したいものに最適な様々な素材を選びます。

創作活動が実験の連続ともいえます。

サール氏の血液にユダヤのDNAが流れているという事ではありませんが、

ある意味でアーティストは故郷をあまり意識していないように感じます。

大宇宙、また、自分自身の細胞一つ一つ全てが故郷なのかも知れません。

しかるに、自由な思考が生まれるのです。

インドの詩人 タゴールの詩の一節が思い浮かばれます。

『夜空の星は蛍に見られることを畏れはしない』 (タゴール)

                                                   高垣主一


Home

                Copyright(c)2009 ATAGOYAMA Art Works All Rights Reseved.